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コロナ戦下のベイエリア生活

日本でも連日アメリカのセンセーショナルなニュースが報道されていますが、この国は今まさにコロナウィルスとの戦いの真っ只中です。
人種構成や州によって状況が異なり、アメリカはこう、と一口には括れませんが、屋内退避生活から1ヶ月になるサンフランシスコ郊外の暮らしぶりについて書いてみたいと思います。

サンフランシスコ湾を取り囲み、シリコンバレー をも含むベイエリア一帯は、場所柄、アジア諸国を頻繁に行き来する人も多く、早くからホットスポットになりうると懸念されていました。そのため全米に先駆けて最も早く外出禁止令、屋内退避命令が出された地域でもあります。

3月17日を境に学校は休校になり、習い事も全てがストップ。公園で遊ぶのも友達と会うのも、レストランに行くのも何もかもこれまでの「当たり前」が禁止になりました。この前日のデータでは、州内の感染者は490人、死者6人、ベイエリアの感染者は251人、死者はゼロだったので、何もかもシャットダウンという厳しい措置に正直、当時は「ここまでするか」とびっくりでした。

今となっては、この1週間の退避命令の差がニューヨークとサンフランシスコの命運を分けたとも言われています。(実際にはそれだけでなく要因はもっと複雑なのでしょうが)4月9日時点での州内の感染者数は19,111人、死者503人、ベイエリアの感染者は4,295人、死者115人と比較的緩やかな増加傾向で踏みとどまり、NYCのような爆発的感染は抑えられています。
それでも、先月まで使えた公園のテニスコートやバスケットコート、トレイルやビーチなどは順次閉鎖され、違反者には罰金も課せられるようになるなど、日に日に規制は厳しくなり、生活は日毎に窮屈になってきています。

<病院の様子>
先日、妊婦検診のため近所の総合病院に行く機会がありました。超音波検査後のカウンセラーとの会話は対面ではなく待合室で電話で、と言われ徹底ぶりに驚きましたが、アメリカの病院は完全予約制のため、今の時期はよっぽどの必要性がない限り病院には立ち入れない状況です。院内はがらんとしてほとんど人はいませんでした。
病院の駐車場にはドライブスルー検査用の白いカーテンが引かれていましたが、患者らしき人はおらず、関係者が和やかに談笑しているのを見て、少しだけほっとしました。
少なくともこの病院に限ってはニュースで見るNYCのようなパニック状態ではなく、ひっそりとはしていますが、スタッフも明るくいつも通りの様子でした。
ただ、カリフォルニアの感染ピークはこれからという説もあり、まだまだ予断を許さない状況であります。

<会社勤めの人たち>
たった1ヶ月前、コロナはまだまだアジアのウィルスだった3月初旬、日本出張を早めに切り上げてきた主人は、2週間の自宅待機を経て出社しようとしたその日に、屋内退避命令が発効され、もうかれこれ2ヶ月近くオフィスに行っていないことになります。
人と会う機会も多い仕事柄、全てがビデオ会議になり、さぞかし業務に支障をきたしているかと思いきや、意外と仕事は回っている様子。

この辺りはサンフランシスコとシリコンバレーどちらへも通勤圏内で、近所にはFacebookやGoogole、Appleなどで働く共働き世帯も多く住んでいます。
平日の学校行事やボランティアでも驚くほど多くのパパたちを見かけますが、両親共に、必要に応じて在宅勤務というワークスタイルが自然に根付いているせいか、周りのママ友なども「困ったわねー」「チャレンジングな状況になったわ」という程度の反応で、当初、まだ落ち着いている印象でした。

さすがに今月はじめ、学期末(6月半ば)まで休校が決まったことを受け、シリコンバレー 父母も絶望的にはなりましたが、噂が先行していたのでみなどこかで心の準備は出来ていて「やはりか、、、」という諦めの境地。
夏休み中に参加予定の子供たちのサマーキャンプもキャンセルになる予感で、最悪9月までこの状況が続くことも覚悟しておいた方が良さそうです・・・・

<子供たち>
小学2年生になる長女の担任の先生からは毎日メールが届き、様々なアプリを駆使して学習が進められています。そのほとんどが初めて聞くものばかりで親は戸惑いますが、子供はサクサクと使いこなしています。

ご参考までに以下、具体的なアプリ名を挙げながら紹介しますと、
毎朝、その日の課題がGoogle Classroomで共有され、紙ベースのプリントはカメラやスマホで撮影したものをShowbieで提出します。
課題の他に、算数のゲームアプリ ProdigyIxl、児童書が読み放題のEpicなど、遊び感覚で出来る補完的な教材もあります。
今週からは、朝の会や帰りの会がGoogle Hangoutで始まり、ずらっと並ぶクラスメイトの顔を見ながら先生の話を聞いたりQ&Aを行います。
ここで友達とおしゃべり出来るわけではありませんが、今はみんなと「つながっている感覚」が何より大切。先生も子供たちも少し安心している様子が見受けられます。

  • 長女は、午前中は出された課題をこなし、午後からはゲームで「どうぶつの森」(日本で流行っているらしい)をしたり、学校でもやっているという楽しげなキッズヨガダンスをしたり、ピアノレッスンもZoomで、、、と何から何までテクノロジーの力にお世話になりっぱなしの生活で、今のところはなんとかやり過ごしていますが、まだたった1ヶ月足らず。というのが滅入るところです。
    これからの長期戦を飽きずに、ストレスを溜めずにどう乗り切るかが、今後の大きな課題です。

4歳の次女は時間を持て余してしまい、放っておくとYou Tube漬けになってしまうので、色々考えないといけません。
手紙を書いたり、アルファベットの勉強をしたり、来週からはZoomで幼稚園の先生とひらがなレッスンも始まりますが、それも週に1回、30分だけ。
基本はいつでも暇なので、日に何度も「つまんなーい」「なんか食べていい?」を連発し、お姉ちゃんにちょっかいを出してケンカの原因を作る妹には「もう、テレビでも観てなさーい!」となってしまいがちです・・・
公園の遊具でも遊べない、友達とも遊べない、という状況の中で毎日どう4歳児と平和に過ごすか、今一番の悩みどころでもあります。

<買い物>
食糧品の買い出しは週に1回、まとめ買いをします。店内でもソーシャル・ディスタンス(1.8mの距離間)を保つために入場制限がされていて、入店前もレジに並ぶ時にも、地面に貼られたテープの上に、間隔を空けて並ぶのにも慣れてきました。
「人を見たらコロナと思え!」というような殺伐とした雰囲気やアジア人への偏見は(私が鈍いだけかも?)はあまり感じませんが、最近はマスク姿の人が目立つようになり、これまでのように明るい無駄話をしている人たちの姿は消えました。
今はまだ、生活必需品はほとんど揃いますが、物によっては欠品が目立つようになり、例えば、小麦粉やイーストは入手困難になっています。

みな考えることは同じで、普段は忙しくて出来ない手打ちパスタやパン作りをする人が増えたからだと言われています。我が家もご多分にもれず、朝、昼、おやつと作り置きしておけば便利なお惣菜パンを作ることが多くなり、小麦粉の消費量がこれまで以上に増えています。

”We’re all in this together”(何があってもみんな仲間)思いやりをもって、必要以上の買い溜めをしないようお願いしますと書かれています。

農業州のカリフォルニアだけかもしれませんが、卵や牛乳、米や野菜などの食材がまだ普通に買えるのはありがたい限りです。ただ、これも外国人労働者に依存してきた果樹農家や酪農家が生産・収穫体制が追いつかず悲鳴をあげているというニュースを聞くと、そのうち生活必需品まで品薄になってしまうのではと不安です。

<新たに買ったもの>
外出禁止になってまず購入したのは、ネット配信のディズニーチャンネル。Pixar, Marvel, などの人気番組も同時に観られて月7ドル、最後の手段と言いながら常態化しつつあるテレビ生活もなんとかしなければいけません(汗)

次に購入を決めたのは、万能調理器具のインスタントポットに付けられるエアフライヤーの蓋($75)

電気圧力鍋のインスタントポットは時短料理に大活躍中で、揚げ物用の専用蓋を取り付けると、オイルスプレーするだけで冷凍コロッケや牡蠣フライなどがさくっと美味しく出来上がります。少ない油でヘルシーに、飛び散る油の掃除も不要で、気軽に揚げ物が出来るようになりました。

ミールキットサービスが大ヒットしていたりクッキング関連ビジネスは追い風のようですが、営業縮小、停止を余儀なくされている飲食店は深刻な状況です。

我が家では週に1回、友人のお寿司屋さんのところにテイクアウトを頼むようになりました。普段は滅多に食べられない贅沢品ですが、ネタや在庫に限りがあるとのことで破格の値段で提供されているのです。

店は創業30年初めてテイクアウトを始めたので大変そうですが、私もお店のInstagramアカウントを作って宣伝やコミュニケーションの手伝いをしています。元々行列の出来る評判の店だったこともあり、フォロワーはあっという間に増え、今週に入ってからは平日でも電話が繋がらない程。
自炊とファーストフードばかりのテイクアウトに疲れた人々は、たまに食べる美味しいお寿司で幸せな贅沢気分に浸り、癒されているのでしょう。そんな人気店でさえも大幅な減収・減益に苦しんでおり飲食店にとってこの状況はまさに死活問題です。

<悪いことばかりでもない>
心配事は尽きませんが、この生活が始まって悪いことばかりでもないことに最近になって気付き始めました。

今までなら帰宅すると黙々とご飯を食べて、シャワーを浴びて黙って寝るだけだった主人が、長女の勉強を見てくれたり、買出しや食器洗いなど、育児や家事に協力してくれるようになったことは想定外のサプライズ。
元の生活に戻ってもこれをキープしてくれるといいのですが。

長女も、パソコンやテレビだけでなくお裁縫や編み物、簡単な料理やお菓子作り、空き箱で工作など・・・昔ながらの素朴な遊びも楽しんでいます。
普段は学校と習い事であっという間に1日が終わりますが、のんびり遊びながら頭と生活力を鍛える良い機会になっているようです。

次女には、食器の片付けや、野菜を切ったり混ぜたり、簡単な台所仕事をやらせたら喜んでやるので、「ラップ取ってくれる?」「じゃがいもの皮剥いてね」などと細かな雑用を頼むことにしました。普段は時間に追われ自分でやった方が早いし楽だし、やらせた方が良いのはわかっていても、余裕がありませんでした。でも、時間がある今のうちに、戦力になるよう仕込むのもいいかと思い直し、包丁の持ち方から一緒に始めています。これが上手くいっている時間はお互いハッピーでいられてなかなか良いです。

普段なら、後回しになる庭の手入れも、草むしりや落ち葉掃除など、(今はまだ子供たちが嫌がらず)張り切ってくれるので、みんなで楽しみながら出来ることも新しい発見でした。

私は、ヨガスタジオが閉鎖されてガチガチになっていた身体を、最近、Amazonプライムビデオで見つけたマタニティヨガ(無料!)でほぐして、1人時間を確保するようになりました。
出産後は暫くスタジオには通えないので、ブロックやクッションなど気分が上がる可愛いグッズを購入して、自宅ヨガ体制を整えることに。
工夫次第で簡単にリラックス出来る術があるとわかっただけでも、なんだかほっとします。

終わりが見えないこの生活を粛々と送る上で、戦うのはウィルスだけではないのかもしれません。
長ければ半年、それ以上になるかもしれない自宅退避生活に、ただ耐えるだけでは、じわじわと心が蝕まれてしまいそうです。
長期戦と意を決して、これまでの固定観念や思考パターンを思い切って変え、毎日を心穏やかに過ごせる工夫や知恵が必要とされているのかもしれません。
そんなことを真面目に考え始めている今日この頃です。

 

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