Breakfast/Snacks Fall 2019 Social

Kitchen Town(キッチンタウン)

カリフォルニアに来てすぐの頃、近所の古ぼけた食糧品店で
「こ、これは?!」という衝撃的なパンと出会いました。

ニューヨークほどの大都会でも好みのパンを探せなかったのに、
こんな郊外のこんなちっぽけな店に(←失礼)すごいパンがあった・・・

ラグビーボールくらいある茶色いずっしりとしたカントリーブレッド。
皮は硬くて、中はふっくらもっちり、噛みしめるほどに小麦の味が
口中に広がって、日本でもこんなの食べたことないよ!

おじさんに聞いてみると、隣町の「キッチンタウン」
というところで作られているそうで。
キッチンタウン? 何?
誰がどうやってこの素晴らしいパンを作ってるの?!

で、行ってみると、そこは全然パン屋じゃなかった・・・

というのが3年前のことです。

以来、しょっちゅう立ち寄ってしまうわけですが、
今日は、そのちょっと不思議でおいしい Kitchen Town について。

周りの工場や中華料理屋さんとも全然馴染まない、倉庫リノベ風のおしゃれな建物。
テラス席もあって、一見するとカフェのようです。


午前9時、焼き立てのペイストリーがショーケースに並び、
香ばしいクロワッサンと淹れたてのエスプレッソを楽しむ人で朝からにぎやか。




でも、ここがただのコーヒーショップじゃないことは、
カフェの奥に広がる体育館のようなキッチンスペースを見れば一目瞭然。

「キッチンタウン」はオフィスシェアならぬキッチンシェアのコ・ワーキングスペースなのです。
入居するのは、起業して事業を拡大しようとする元気な地元のスタートアップ。

設立は今から5年前。IT業界の起業支援システム
“インキュベーション”の考えを食の世界にも、と始まりました。

インキュベーターと言えば、海外ドラマ「シリコンバレー」でも、
はちゃめちゃなアーリックが技術オタク集団のスタートアップに、
部屋を貸したりして生活の面倒をみてました。
「シリコンバレー」、ハマります。おもしろいです)

アイデアや技術はあるけど、それをどうやってビジネス化したらいいか
わからない、という起業家に経営アドバイスをしたり、資金調達の
ノウハウを教えたりします。
単にオフィスや環境を整えて貸してあげる、というより
ソフト面のサポートが支援の中核になります。

キッチンタウンでは、レンタルキッチンの提供以外に、
商品開発のラボや大手との事業提携、勉強会の開催など、
小さなスタートアップがスケールアップできるようありとあらゆる面から
サポートします。

衝撃のパンを作るベーカリーBackhausは、自宅で、独学でパン作りを始めて
友達に売っていたドイツ人女性が家のキッチンでは手狭になり
2016年キッチンタウンに入居。

たった1人でスタートしたパン屋さんでした。
出典:”Backhaus: From Dream to Peninsula Sensation”
地元のファーマーズ・マーケットで販売するとすぐに評判になり
毎週土曜はテントの前に長蛇の列。
この夏、ついに自分たちのお店を出したところです。

だいぶ工事が長引いていたので、資金がショートしたのでしょうか?
最後はキックスターター(クラウドファンディング)で、$54,000ドル以上
(580万円)を調達。無事、オープンにこぎつけました。

ま・さ・に!ザ・アメリカン・ドリーム!

シリコンバレーの成功物語の影にはこのようにインキュベーターの
存在が欠かせません。

そんなわけで今、キッチンタウンに行ってもBackhausのパンはないけれど
新しく入ったベーカリーのクロワッサンもまた美味。

毎日焼きあがるパンやクッキーも、ブランチメニューも、棚の商品も、
行くたびにちょっとずつ変わるなんて普通のお店じゃなかなかありえませんね。

「今日は何があるかなー」

毎回、ちょっとワクワクします。
カフェからは調理場の様子を眺めることも出来て、作り手の存在を
身近に感じられるのもこの場所ならでは。

棚に並ぶのは、スイレンの種で作った超ヘルシーなポップコーン、
昆虫のスナック、ビールを作るときに出る廃棄穀物が原料のバーなど、
時代の最先端をいく進化系スナックたち。
(昆虫って・・さらっと書いたけど、コオロギとかそういうのです(汗)

小麦も卵も大豆も乳製品も使わない、グルテンフリー、アレルギーフリー、
プラントベースのThe Yes Barは、最近、Oisix がキッチンタウンと
提携事業を始めて、日本でも買えるようになりました。(ここから注文できるみたいです)

国内外に様々な提携先があります。



こちらの棚、キーワードは健康、環境、サスティナブル、安全、安心など。

日本なら“意識高い系”と揶揄されそうな、本当に、相当に、
意識の高いスナックや調味料が並びます。

でも、アメリカのおやつ=体に悪そう、どぎつい、不味い、
と思っている方にほど、こんな進化系おやつをぜひお試しいただきたい!
昆虫以外は色々試してみましたが、普通に、か、普通以上においしいです。

他にも日本から参画する完全栄養食のBase Foodや
日本人起業家のRamen Heroもキッチンタウンのコミュニティメンバーです。
(こちら、またの機会に詳しく)

カフェは朝8時から3時まで。
地元の食材をたっぷり使ったブランチやランチのプレートもおすすめですよ。

サンフランシスコ市内とシリコンバレーの間にあって、
空港からも10分とアクセスも抜群。
近くに来ることがあれば、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
Kitchen Town
1007 Howard Ave, San Mateo, CA 94401

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