Spring 2018

Chez Panisse(シェパニーズ)2 -Restaurant-

(Chez Panisse1 – Cafe -から続く)
カフェから階下のレストランに降りてきて案内されたのはキッチンから近い二人がけのテーブル席。厨房の様子やシェフたちの動きを視界の向こうに感じられる特等席で、斜め前ではチカチカする炎の上で大きな肉の塊がグリルされるているのが見えます。

メニューを開くと、あれれ?デザートがジェラートじゃなくて、念願のガレットに変更されてる・・やったー!

その日の食材によってメニューが変わることはシェパニーズでは珍しいことではないようで、あきらめていただけに嬉しいサプライズです。
お水を持ってきてくれたサーバーの女性に「ちょうど昨日、見てたアリスの料理教室の動画でこれ作ってて、食べてみたかったんだよね」と話すと、お姉さん、「じゃあ、後でキッチンツアーする?」と、かる〜く言ってくれて「えーー、いいのー?」と、またまた嬉しいサプライズ。食後に厨房を見せてもらえることになりました。
なんだかもう、気持ち的にはすでに色々満たされてる感じだけど、ディナーはこれからです。

注文しなくても小さなグラスでちゃんと出てくるアペリティフ(食前酒)見た目によらず(とよく言われる)お酒が強くない私たち夫婦には2、3口で軽く飲める少量の食前酒くらいがちょうどよく、ありがたい心遣いです。

一品目
アスパラガスとアニスヒソップのフリッター(マスタード・ムースリーヌ・ソースとルッコラ添え)

Mr. ビーンみたいなんだけど、高倉健みたいなダンディなフランス語訛りのホストのおじさんが「てんぷ〜ら」とにこやかにサーブしてくれました。日本人客、やっぱり多いみたい。

うすーくついた軽い衣は、ふんわりもっちりのフリッターというより天ぷら風。おじさん、冗談言ってるだけかと思ったけど、ホントにほぼ、天ぷらだわ、これ。

サクサクの衣の塩気と、シャキシャキしたアスパラの甘さ、クリーミーなマスタードソースが絶妙に絡み合って美味しい(この日以来、うちで天ぷらする時にアスパラは必須)

続いて、二品目
帆立の炙り焼き(ほうれん草、シャンパン・ブール・ブランソース、炒めたケイパー添え)

こんがりと表面が焼かれた肉厚プリプリな帆立を、フレンチの王道ソースと言われる白ワインとバターで作るブール・ブランソースで。白ワインじゃなくシャンパンっていうのが贅沢だわー。ケイパーのピリッとした塩気がアクセントになっています。

三品目
ラノ・セコ牧場の豚ロースのグリル(八角、春かぶ、カラードグリーン)

テーブルから見えていた炭火焼きの肉の塊が、目の前のお皿の上で、所々うっすら綺麗なピンク色に染まって、お行儀よく並んでおります。こちらは、八角で香り付けされた照り焼き風の甘辛のソースに、カブと、アメリカではメジャーなカラードグリーンというケールに似た葉野菜が添えられています。白米が欲しくなるようなどこか懐かしい味。

いわゆる伝統的なアメリカ料理の店と比べると、ポーションが少なめなのもシェパニーズの特徴です。

しかしながら、炭水化物好きでよく失敗するのですが、序盤で美味しすぎるパンを食べすぎてしまい、このポークを完食する頃にはかなりおなかがいっぱい・・・・

でもね、これは別腹

ピンクレディアップルのガレット(プルーンとアルマニャックアイスクリーム添え)
 

カリカリのクリスピーな生地にキャラメライズされた香ばしいリンゴ。ひんやりと爽やかな自家製アイスクリームが温かなガレットの優しい甘さを引き立てます。今までどこかで食べたアップルパイとはまた違う、想像していた通りの美味しさに大満足。

食材と、調理法と、そこに添えるソースや付け合わせの野菜、丁寧に作られた一皿、一皿。美味しいのには、ちゃんと理由がありますね。星付きのミュランレストランのように、芸術的な技を駆使したり、デコレーションが凝っていたり、高級食材を使うわけではないけれど、家庭的な素朴な料理を、究極に追求して洗練するとこんな形になるのかと目ウロコの連続でした。

メインと一緒に添えられる旬の野菜たちやアイスクリームも脇役のようでいてしっかり存在感が光っていたし「地元産の旬の食材を、素材の持ち味を一番美味しく引き出すように料理して供する」シェパニーズが今も昔も変わらず守り続けている理念を実感したのでした。

食後のコーヒーを飲みながら余韻に浸っていると、ダンディなMr.ビーン(じゃない、健さん)がキッチンを案内してくれると言います。

Yeah! これから厨房におじゃましまーす!(続く)

 

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